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運動会・行事シーズン、子どもの「不安」とどう向き合う?見通しを立てて笑顔で当日を迎えるための対策【現役、児童発達支援管理責任者が解説】

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運動会・行事シーズン、子どもの「不安」とどう向き合う?見通しを立てて笑顔で当日を迎えるための対策【現役、児童発達支援管理責任者が解説】

「行事の練習が始まると、子どもの様子がおかしくなる」

9月に入り、園や学校では運動会や発表会に向けた練習が本格化してくる時期です。

この季節になると、決まって保護者からこんな相談が増えます。

「運動会の練習が始まってから、朝からずっと機嫌が悪い」

「行きたくないと泣くようになった」

「夜、なかなか寝付けない日が続いている」

「本番の話をするだけで、表情がこわばる」

普段は落ち着いて過ごせている子でも、行事シーズンだけは急に不安定になる。

そんな姿を見て、「うちの子だけこんなに嫌がるのはなぜ?」「無理にでも頑張らせるべき?」と

対応に悩む保護者の方は、実はとても多いです。

私は児童・障がい福祉の現場で11年間働き

現役の児童発達支援管理責任者として、放課後等デイサービスの現場で日々子どもたちと関わっています。

運動会や発表会のシーズンは、現場でも毎年、多くの子どもたちの様子に変化が見られる時期です。

不規則な学校生活、不安などがストレスになって、癇癪気味になる子もたくさんいました。

この記事では、行事シーズンに子どもが不安定になる理由と、家庭で今日からできる具体的な対策を、できる限り詳しくお伝えします。

なぜ、行事シーズンだけ子どもは不安定になるのか

まず、この現象が「わがまま」でも「気にしすぎ」でもなく

子どもの発達段階として自然に起こりうることだと理解するところから始めましょう。

理由は主に4つあります。

① 「いつもと違う」が続くことへの負担

運動会や発表会の練習期間中は、普段の時間割が大きく変わります。

教室で座って授業を受ける時間が減り、外や体育館での集団練習が増える。

持ち物も変わる。

給食の時間がずれる。

こうした「いつもと違う」が毎日のように続くこと自体が、子どもにとっては大きなエネルギーを使う出来事です。

特に、見通しを立てることが苦手な子や、変化への適応にエネルギーを多く使うタイプの子にとっては

この『いつもと違う日々』が積み重なることで、心身のコップから水があふれるように、不安定さとして表れてくることがあります。

② 「うまくできるかどうか」への評価不安

運動会や発表会は、多くの場合「見られる」場面です。

走る速さ、ダンスの振り付け、演奏や合唱などなど

それぞれの場面で『できる・できない』がはっきりと目に見える形で表れます。

大人が思う以上に、子どもは「失敗したらどうしよう」「みんなの前で恥ずかしい思いをしたらどうしよう」という

プレッシャーを感じていることがあります。

特に、完璧を求める気持ちが強い子や、周りと比べて自分を評価しやすい子は、この評価不安が強く出やすい傾向があります。

③ 音・人混み・大きな声への感覚的な負担

運動会本番は、大きな音楽、放送のアナウンス、大勢の観客、拍手や声援など、感覚的な刺激がいつもより格段に多い環境です。

感覚が敏感な子にとっては、これらの刺激が「楽しいもの」ではなく

「疲れる、つらいもの」として感じられていることがあります。

練習の段階から、体育館に集まって音楽が流れるだけで、疲れきってしまう子も少なくありません。

④ 「本番はいつ、何が起きるのか」がわからない不安

日々の練習では流れがある程度決まっていても

本番当日は、待ち時間の長さ、天候による変更、進行のズレなど、予測しきれない要素が多くあります。

「今日は何時に何がある」という見通しが立ちにくいことが

特に見通しを大切にするタイプの子にとっては、強い不安の材料になります。

「頑張らせる」より先に、大人にやってほしいこと

行事に向けて子どもが不安定になったとき、多くの大人はつい「頑張って」「みんなやってるよ」と励ましたくなります。

もちろん励ましが悪いわけではありませんが、その前に、まずやってほしいことがあります。

それは、「今、この子はしんどい思いをしている」ということを、大人がまず認識することです。

「行きたくない」「疲れた」という言葉の裏には、多くの場合、先ほど挙げた4つのような理由が隠れています。

「甘えているだけ」「練習をサボりたいだけ」と決めつけずに

まずは「そう感じるだけの理由が、この子にはあるはずだ」という前提で見てあげることが、対応の一番の土台になります。

今日からできる、7つの具体的な対策

ここからは、実際に現場や家庭で効果を感じてきた、具体的な対策を紹介します。

全部を一気にやる必要はありません。「これならできそう」と思うものから、少しずつ試してみてください。

対策1:スケジュールを「見える化」する

行事期間中の練習内容や、本番までの流れを、カレンダーやホワイトボードに書き出して、

目に見える場所に貼っておきましょう

例えば、「今日は練習だけ」「あと3回練習したら本番」というように

日数や残り回数を視覚的に示してあげると、見通しが立ちにくい子でも

「あとどれくらいで終わるか」がイメージしやすくなります。

文字が読めない年齢の子には、シールを貼って数える、カレンダーに丸をつけていくなど、遊び感覚を取り入れるのも効果的です。

視覚で理解しやすい場合が多いので、目で見て理解してもらうようにしましょう!

対策2:「できていること」に目を向けて伝える

練習が始まると、大人はつい「もっとこうした方がいい」「まだできていない部分」に目が向きがちです。

しかし、不安が強くなっている時期こそ、意識して「今できていること」を具体的に言葉にして伝えてあげてください。

「今日は最後まで練習に参加できたね」

「昨日より、少し楽しそうに踊っていたね」など

結果ではなく、取り組んでいる過程そのものを認める言葉かけが、子どもの心の余裕を作ります。

対策3:本番の「流れ」を、事前に一緒にシミュレーションする

可能であれば、園や学校からもらったプログラム(進行表)を、親子で一緒に眺めてみてください。

「まずここで整列して、次にかけっこをして、そのあとはお弁当の時間だね」というように

当日の流れを言葉にして確認するだけで、子どもの中の「わからない不安」がかなり軽減されます。

会場の雰囲気を伝えるのも効果的です。「たくさんの人が来て、拍手をしたり応援したりするよ」と

あらかじめ具体的にイメージを共有しておくことで、当日の刺激に対する心の準備ができます。

支援学校では、当日のスケジュールを最初から最後まで通してやってみて

当日の動きを実際に練習することもありました!

事前に流れを知っていることは、見通しが持てない子や不安がある子にとっては

とても効果的ですよね。

対策4:「休んでいい時間」をあらかじめ確保しておく

行事期間中は、練習の疲労が蓄積しやすい時期です。

帰宅後は、習い事や予定を詰め込みすぎず、ゆったり過ごせる時間を意識的に確保してあげてください。

「今日は疲れてそうだから、お風呂上がりはゆっくりしようね」というように

心身を休める時間を大人が先回りして作ってあげることが、行事期間を乗り越える体力の土台になります。

対策5:先生に「家庭での様子」を具体的に共有する

家庭で不安定な様子が見られる場合は、遠慮せずに担任の先生に伝えてください。

「最近、練習の話をすると表情が硬くなる」

「夜あまり眠れていないようだ」といった具体的な様子を共有することで

園や学校側でも、練習中の様子を気にかけてもらいやすくなります。

先生と情報を共有し合うことで、必要に応じて練習量の調整や、役割の見直し(負担の大きい役割から、少し負担の軽い役割への変更など)といった

配慮をしてもらえることもあります。

家庭だけで抱え込まず、学校と一緒に対策を考える姿勢が大切です。

家庭での状況を教えてもらうだけでも放課後等デイサービスでは、対策が考えられるので

非常に助かります。

「ここまで言ったら細かいかな・・・」とは思わずに

いろんな情報を教えてください。

いろんな視点で、いろんな形で多方面から子どものサポートができると

子どもに無駄なストレスがかかることなく、過ごしていけます。

対策6:感覚的な負担には、道具で対策する

音や人混みへの感覚過敏がある場合は、耳栓やイヤーマフの使用について、園や学校に事前に相談してみるのも一つの方法です。

「本番中、耳を塞ぐ道具を使ってもいいですか」と相談することは

決して特別なことでも、恥ずかしいことでもありません。

子どもが安心して行事に参加できるための、立派な環境調整です。

対策7:「完璧に参加できなくてもいい」というスタンスを、大人が持つ

最後に、一番大切な心構えをお伝えします。

それは、「最初から最後まで、完璧に参加できなくてもいい」という気持ちを、大人自身が持っておくことです。

途中で列から離れてしまっても、演技の一部だけ参加できなくても、それは「失敗」ではありません。

「今日はここまで頑張れたね」と、その子なりのペースでの参加を認めてあげることが、次の行事への前向きな気持ちにつながっていきます。

集団参加のハードルはみなさんが思っている以上に難しいものです。

だいたい、放課後等デイサービスを利用する方は

「集団に参加できなくて・・・」「みんなと一緒のことができなくて」と相談されるケースが多いです。

全部参加してこそ参加だ!!

ではなくて

少しの参加でもできたらgoodですよ!!

本番当日、直前にできるフォロー

当日の朝、子どもの緊張が強い様子が見られたら、次のような声かけも効果的です。

  • 「今日は、〇〇(好きなこと)を頑張った後のごほうびに、一緒に△△しようね」と、行事の後の楽しみを用意しておく
  • 「緊張してもいいんだよ、緊張するのはちゃんと頑張ろうとしている証拠だから」と、緊張という感情そのものを否定しない
  • 会場に着いたら、あらかじめ落ち着ける場所(木陰、端の席など)を確認しておく

当日の対応に『絶対の正解』はありません。

その子の様子を見ながら、その場でできる小さな工夫を重ねていくことが、結果的に一番の安心材料になります。

行事が終わった後こそ、しっかり労ってあげてほしい

行事が終わると、大人はつい「終わったから一段落」と気持ちを切り替えがちですが、子どもにとっては、緊張とエネルギーを大きく使った直後です。

「今日はよく頑張ったね」と、結果(うまくできたかどうか)に関わらず、その日一日を乗り越えたこと自体をしっかり労ってあげてください。

この「頑張った過程を認めてもらえた」という経験の積み重ねが、次の行事に向き合うときの、子ども自身の心の土台になっていきます。

まとめ

行事シーズンの不安への対策をまとめます。

なぜ不安になるのか

  • いつもと違う日々が続くことへの負担
  • 「うまくできるか」という評価不安
  • 音や人混みなど、感覚的な負担
  • 本番当日の見通しの立てにくさ

今日からできる7つの対策

  • スケジュールを見える化する
  • できていることに目を向けて伝える
  • 本番の流れを事前にシミュレーションする
  • 休んでいい時間を確保する
  • 先生に家庭での様子を共有する
  • 感覚的な負担には道具で対策する
  • 「完璧に参加できなくていい」というスタンスを持つ

行事シーズンの不安定さは、その子が真剣に、精一杯向き合おうとしているからこそ表れるものでもあります。

大人が「頑張らせる」姿勢から「支える」姿勢に少し切り替えるだけで、子どもの表情はきっと変わっていきます。

焦らず、その子のペースに合わせながら、一緒にこのシーズンを乗り越えていきましょう。

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